エクセリオン補遺

初めてのビデオゲームがエクセリオンだった自分にとって、アーケード版エクセリオンは憧れの対象でした。基盤屋のセールで偶然入手できた喜びも束の間、基板からの映像が乱れるようになり、修理から戻ってくるまで待つ事約一年。「おあずけ」を食らった事でも、本作への思い入れが強まりました。

エクセリオンというゲームについては、あたっく系さんの「シューティング千夜一夜」など各所で概ね語り尽くされていると思いますので、ここではファミコン版とアーケード版の違いについて、私の気付いた点を記載します。結論から先に書くと、アーケード版の方がよりカタルシス溢れるゲームになっていると感じました。

・スコアボーナスの違い

本ゲームでは敵を連続破壊する事により、敵破壊ポイントに加えてボーナスポイントが加算されます。ここまではアーケード、ファミコン版とも同じなのですが、ボーナスポイントの上限、ならびにツインショットの当たり判定が両者で異なります。ファミコン版はボーナスポイントの上限が600点であるのに加え、ツインショットの当たり判定が非常にシビアで、ツインショットを2弾とも別の敵キャラクタに当てる必要があります。エリア1で敵が1列に並んでやってきた場合等、ツインショットを当てるには慎重に敵を誘導する必要があり、ハイスコアを狙う場合の難易度上昇に繋がっています。
また、アーケード版ではミスショットをしても、ボーナスポイントはおよそ半分に減算された状態から継続するのに対し、ファミコン版では完全にリセットされるので、ボーナスポイント獲得がさらに難しくなっています。

・画面下にスクロールアウトした敵キャラの挙動

アーケード版の敵キャラクタは画面下に消えた後、画面上から再度登場するのですが、ファミコン版ではスクロールアウトした敵キャラクタは再登場しません。この時点で連続破壊ボーナスはキャンセルされます。敵キャラ消滅はファミコン版のエリア2、エリア6で特に顕著で、スコアアップの障壁になります。

・画面上の攻撃無効エリアの存在

アーケード版では、スコア表示領域を含む画面上部は「敵キャラクタは見えるがショットが当たらない」領域になっています。映像と反応が一致しないという意味では理不尽な仕様ですが、エリア3など敵の挙動が読みづらいエリアでは、敵挙動の予測情報を得る事ができ、連続破壊ボーナスを維持する助けになります。逆にファミコン版では画面上部に敵が表示される前からショットが当たる仕様になっており、とにかく敵を一掃して生き残りたい場合にはこちらの方が有利です。

上記のような違いはありますが、自機の独特な浮遊感の再現などファミコン版の移植レベルは高く、十分に楽しめるものになっています。ファミコン版はWiiのバーチャルコンソール等でプレイ可能ですので、興味を持たれた方は遊んでみて下さい。現代のシューティングとは異なる「一発の緊張感」が味わえると思います。

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